【数学】分母が3次までの部分分数分解の公式【全6パターンの解法紹介】



部分分数分解は積分やラプラス変換で使うことがあり、覚えておくと便利なことがあります。逆に部分分数分解ができないと困ることがあります。

また、部分分数分解はなんとなくできるけど、具体的にどのように分解すれば良いか分からないという方もいるかと思います。

ここでは分母の最大次数が3までの部分分数分解の公式やコツを整理しましたので、解き方をマスターしていきましょう。

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部分分数分解について

まず、前提として部分分数分解できるものは、分子の最大次数が分母の最大次数よりも小さものだけです。下の図のように、分子の最大次数が分母の最大次数以上だと部分分数分解することができません。

また、分母の最大次数はいくらでも大きいものが考えられますが、ここでは分母の最大次数が2の場合と3の場合について説明します。

分母が2次の部分分数分解

公式

分母が2次の部分分数分解の公式は以下の通りです。分子の最大次数は1次になります。

公式について解説します。分母が2次の部分分数分解としては2種類の分解方法があります。

まず分子に関してですが、分母の最大次数が2なので分母の最大次数は1となり、\(p_{1}x+p_{0}\)と一般化することができます。

注目するのは分母の形です。分母の形は大きく分けると2種類しかありません。

違う種類の一次式がかけられたものと、同じ一次式が二乗されたものです。

次の例題で分解方法を確認してみましょう。

例題1

まずは公式\((1)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{x+2}{x(x+1)}$$

公式\((1)\)と見比べてみましょう。すると、\(p_{1}=1\),\(p_{0}=2\),\(a_{1}=1\),\(b_{1}=0\),\(a_{2}=1\),\(b_{1}=1\)となります。

よって、以下のように部分分数分解することができます。

$$\frac{A}{x}+\frac{B}{(x+1)}$$

これを通分して\(A\),\(B\)の係数を比較すると、答えとしては以下のようになります。

$$\frac{2}{x}-\frac{1}{(x+1)}$$

例題2

次は公式\((2)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{x+1}{(x+2)^2}$$

この形は公式\((2)\)に当てはまりますので、公式に従って分解すると以下のようになります。

$$\frac{A}{(x+2)^2}+\frac{B}{(x+2)}$$

これを先ほどと同じように、通分して\(A\),\(B\)の係数を比較すると、答えは以下のようになります。

$$-\frac{1}{(x+2)^2}+\frac{1}{(x+2)}$$

既にお気づきの方もいるかもしれませんが、実は分子の形は気にしなくてよいです。大事なのは分母の形を見て分解する形(公式)を選ぶことです。

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分母が3次の部分分数分解

公式

分母が3次の部分分数分解の公式は以下の通りです。分子の最大次数は2次になります。

 

分母が3次の部分分数分解としては4種類の分解方法があります。分母が2次の部分分数分解で説明したように、分子の形に注目する必要はありません。

分母の形でどのように分解するか判断しましょう。

それでは例題で分解方法を確認しておきましょう。

例題3

公式\((3)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{2x^2+x+4}{(2x+1)(x+2)(x+4)}$$

これは以下のように分解することができます。

$$\frac{A}{(2x+1)}+\frac{B}{(x+2)}+\frac{C}{(x+4)}$$

よって、通分して係数を比較すると以下のように部分分数分解することができます。

$$\frac{16}{21}\frac{1}{(2x+1)}-\frac{5}{3}\frac{1}{(x+2)}+\frac{16}{7}\frac{1}{(x+4)}$$

例題4

公式\((4)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{x^2+2x+4}{x^2(x+1)}$$

これは以下のように分解することができます。

$$\frac{A}{x^2}+\frac{B}{x}+\frac{C}{(x+1)}$$

よって、通分して係数を比較すると以下のように部分分数分解することができます。

$$\frac{4}{x^2}+\frac{3}{x}-\frac{2}{(x+1)}$$

例題5

公式\((5)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{2x^2+1}{(x+1)(x^2+3x+4)}$$

これは以下のように分解することができます。

$$\frac{A}{(x+1)}+\frac{Bx+C}{(x^2+3x+4)}$$

よって、通分して係数を比較すると以下のように部分分数分解することができます。

$$\frac{3}{2}\frac{1}{(x+1)}+\frac{1}{2}\frac{x-10}{(x^2+3x+4)}$$

例題6

公式\((6)\)を使った例です。例題として以下の式を部分分数分解してみたいと思います。

$$\frac{x^2+5x+3}{(x+1)^3}$$

これは以下のように分解することができます。

$$\frac{A}{(x+1)^3}+\frac{B}{(x+1)^2}+\frac{C}{(x+1)}$$

よって、通分して係数を比較すると以下のように部分分数分解することができます。

$$-\frac{1}{(x+1)^3}+\frac{3}{(x+1)^2}+\frac{1}{(x+1)}$$

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